神奈川県平塚市の動物病院 【アリアスペットクリニック】
ペットホテル トリミングサロン 併設
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膀胱炎とは?
膀胱内部で炎症が起こっている状態のことを言います。犬・猫共に多く見られる疾患の一つです。
わんちゃんでは細菌感染によって引き起こされる細菌性膀胱炎が多く発生し、猫ちゃんでは様々な要因によって引き起こされる特発性膀胱炎が多く発生します。

膀胱炎の症状とは?
血尿、頻尿、不適切な排尿を引き起こし、細菌感染がある場合は異臭を伴うこともあります。
通常は全身的な臨床症状を伴わず、全身的な臨床徴候を伴う場合(発熱、気力・食欲低下、沈鬱、嘔吐など)、他の疾患が起こっている可能性があります。


膀胱炎の原因とは?
細菌性の膀胱炎の原因菌はEscherichia coli .が最も多く、次いでStaphylococcus spp.,Enterococcus faecalisが多いです。
感染経路としては、会陰部、消化器、生殖器、あるいは周辺皮膚の常在菌が尿道を介して感染を起こします。

特発性膀胱炎の病態は複雑であり、膀胱の問題だけでなく、生活環境においてストレスがかかっていたり、飲水量の低下、トイレが気に入らないなどの外的要因と、膀胱粘膜のバリア機構異常、内分泌系、交感神経系の乱れなどの内因要因が関係していると考えられています。


膀胱炎の治療は?
細菌性膀胱炎の治療には、抗生剤を使用します。ただし、抗生剤を投与したのにも関わらず、細菌が減少しない場合や、抗生剤投与終了と共に再発生する場合などは、適切な抗生剤ではない可能性や耐性菌の発生の可能性を考慮し、尿中の細菌を調べ効果のある抗生剤を調べる薬剤感受性試験を行い、その結果に基づいて抗生剤を使用する必要性があります。

猫ちゃんに多い特発性膀胱炎は、症状が軽度の場合、数日—数週間で症状が改善されることがあります。ただし繰り返す発生する場合には、対応を講じる必要があります。
外的要因が関与していることが多いため、猫ちゃんの生活環境を改善させていきます。
飲水量を増やすために
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常に清潔な水を与えるため食器は綺麗にし、水飲み場を増やす
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様々なタイプの水、鶏肉などの香りのついた水や、流水などを試してみる
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引水用の容器を口が広いものや材質を変えたり、器を置く位置の変更、置き場の増設をする
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食事をウェットフードに変更したり、食事回数を増やす

環境によるストレスを減らすために
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生活環境を整えるため、キャットタワーなど見下ろせる場所、落ち着ける場所の用意、爪とぎの用意、くつろげる時間を作る

トイレ環境を整備するために
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トイレの数は、飼育頭数+1個
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トイレのサイズを大きくする
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猫砂を猫の好みに合わせる
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砂をたくさん敷いてそこが見えないようにする

上記を行うことで、特発性膀胱炎の発生頻度を低下させるようにしていきます。
膀胱炎はわんちゃんでも猫ちゃんでもよく見られる症状です。排尿に関して、異常を感じた場合すぐにご相談ください。