top of page

猫は犬と何が違う?猫の皮膚病の特徴を知ろう

「最近毛が抜けている」「かさぶたができている」

など、愛猫の皮膚の変化に気づくことはありませんか?


猫にもさまざまな皮膚病がありますが、犬とは少し異なる特徴があります。


また、猫の皮膚病では、異なる病気であっても似たような皮膚症状を示すことがあり、

見た目だけから原因を判断することが難しいケースも少なくありません。





そこで今回から、「猫の皮膚科」シリーズとして、猫によくみられる皮膚病や、皮膚症状から考えられる病気、診断や治療について、できるだけ分かりやすくご紹介していきます。



第1回となる今回は、「猫の皮膚病は犬と何が違うの?」というところから、猫の皮膚病を考えるうえで知っておきたいポイントをご紹介します。



猫は「かゆい」と言わずに毛を抜いている?


犬では、皮膚を掻いたり、足を舐めたりする様子が目立つことが多いですが、猫では少し様子が異なります。


猫はもともと頻繁にグルーミングをする動物です。

そのため、かゆみがあっても「掻いている」というより、過剰に毛づくろいをすることで毛を抜いてしまうことがあります。



その結果、


・お腹や内股の毛が薄くなった

・足の毛が左右対称に短くなった

・腰や背中の毛が部分的に薄くなった


など、「脱毛」として症状が見つかることがあります。一見すると「毛が薄くなっただけ」に見えても、実は強いかゆみを感じているケースもあります。


 

腹部の脱毛
腹部の脱毛


大腿部の脱毛
大腿部の脱毛


猫と犬では、よくみられる皮膚病も違います


犬では、膿皮症やマラセチア性皮膚炎などの皮膚病が比較的よくみられます。

一方、猫では、


・寄生虫による皮膚炎



などの病気にかかることが多いです


そのため、「犬でよくある皮膚病だから、猫も同じだろう」と考えるのではなく、猫ならではの病気を含めて原因を考えることが大切です。



似たような皮膚症状でも、原因はさまざま


猫の皮膚病を診断するうえで、もう一つ重要なのが「見た目だけでは判断しにくい」ということです。


例えば、「脱毛」という一つの症状だけを見ても、アレルギー、寄生虫、真菌感染、痛みやストレスに伴う過剰なグルーミングなど、さまざまな原因が考えられます。


また、「赤み」「かさぶた」「小さなブツブツ」といった皮疹も、原因が異なっていても同じような見た目になることがあります。



そのため、皮膚の見た目を確認するだけではなく、どこに症状があるのか、どのように広がっているのか、かゆみはあるのか、生活環境や食事に変化はないかなど、さまざまな情報を組み合わせて原因を絞り込んでいきます。



「ストレスだから」で終わらせないことも大切


猫の脱毛を見て、「ストレスが原因かもしれません」と言われたことがある方もいるかもしれません。


もちろん、環境の変化やストレスが過剰なグルーミングに関係することはあります。


しかし、アレルギーやノミ、寄生虫、真菌感染など皮膚の病気による痒みが原因となっているケースをまず考えることが重要です。

実際に心因性脱毛と仮診断されて専門機関を受診した猫を調べた研究では、多くの猫でアレルギーなどの医学的な原因が確認され、純粋な心因性脱毛と診断された猫は少数だったと報告しています。



そのため、脱毛があるからといって、最初から「ストレス」と決めつけるのではなく、まず皮膚病の可能性を確認することが重要です。



猫の皮膚病では、どんな検査をするの?


皮膚の状態や症状に応じて、


・皮膚の細胞や細菌・酵母を確認する検査

・被毛や皮膚の寄生虫を確認する検査

・真菌検査

・加水分解食を用いた食事試験

・血液検査や超音波検査

・皮膚生検


などを組み合わせて診断を進めます。


すべての検査を行うわけではなく、症状や経過から疑われる病気に合わせて必要な検査を選択することが大切です。



早めに相談することが大切です


猫は、犬と比べて皮膚の異常やかゆみを飼い主さんから見つけにくいことがあります。


「最近ちょっと毛が薄くなった気がする」

「よく毛づくろいしている」

「背中に小さなかさぶたがある」

「耳や顔をよく掻いている」


このような小さな変化が、皮膚病のサインであることもあります。


気になる症状があれば、「もう少し様子を見よう」と長く様子を見るのではなく、一度ご相談ください。



次回からも「猫の皮膚科」を分かりやすく解説します



今回から始まった「猫の皮膚科」シリーズでは、猫によくみられる皮膚病について、飼い主さんにも分かりやすい形で少しずつご紹介していきます。


猫の皮膚について気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。




アリアスペットクリニック

獣医師 皮膚科主任 酒井

コメント


bottom of page