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分離不安

症例

行動診療・認知症

分離不安とは?

分離不安とは動物が飼い主と離れた際に認められるストレス反応のことです。分離によって引き起こされる問題ですが、潜在的に恐怖、不安、飼い主への過度の愛着、適切な刺激や社会的関わり合いの不足などが関与していると言われています。



分離不安の原因は?

分離不安の原因としては、動物が飼い主と離れることに慣れていないこと、飼い主の突然のライフスタイルの変化、外出時や帰宅時に飼い主が見せる過度の愛情表現、早期離乳、飼い主との過度の愛着関係などが挙げられます。


分離不安の症状とは?

分離不安の主な症状は、過度の吠えや遠吠え、破壊行動、不適切な場所での排泄などの行動学的な不安症状と、食欲低下、嘔吐・下痢、震え、過剰なよだれ、パンティング、皮膚を舐め続けるなどの生理学的な症状があります。これらの症状は飼い主がいない時に認められますが、飼い主と一緒にいる時には過度の後追い行動が見られることもあります。また、飼い主が外出の準備を始めるなど動物が飼い主との分離を予期した時からクンクン鳴く、震え、よだれ、パンティング、後追い行動などの症状を示すこともあります。



分離不安の治療は?

分離不安の治療には主に行動修正法薬物療法があります。

行動修正法では、動物が自立できるようなトレーニングをしたり、動物が飼い主の外出を予期する手がかりを排除したり、外出時と帰宅時の愛情表現をやめたり、飼い主の外出に少しずつ慣れる練習をします。また、動物が安心して過ごせる環境や飼い主の外出中に夢中になれるアクティビティを提供することも大切です。

 薬物療法では主に不安を和らげる薬を使いますが、薬物療法のみでは治療効果はなく、必ず行動修正法と併用して、これを補助する形で服用します。また、動物の症状によっては薬ではなくサプリメントを用いることもあります。

 これらの治療法は動物の症状や生活環境などに合わせて、細かく治療プログラムを組んで行いますので、獣医師とよく相談しながら根気良く治療に取り組んでいく必要があります。




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