
不整脈
症例
循環器科
不整脈とは?
不整脈とは、正常な心拍(洞調律)から外れた心拍のリズムの異常の全てを指します。
不整脈の種類には大きく分けて4つあり
①心拍数が少ない(徐脈性不整脈)
犬だと60回/分、猫だと140回/分を下まわることを徐脈と言います。
②心拍数が多い(頻脈性不整脈)
犬だと170回/分、猫だと220回/分を上回ることを頻脈と言います。
③心拍のリズムがまれに早い(期外収縮)
早いタイミングで心臓の収縮が起こる。
④心臓の動きが連動しない(伝導異常)
心臓の上の部屋(心房)と下の部屋(心室)の動きが連動せずうまく循環ができないこと。
に大きく区別されます。
その中でもさらに原因によって不整脈の緊急性や診断、治療内容、予後などが変わっていきます。
なりやすい動物は?
犬では興奮や緊張した際に不整脈が生じやすい動物となっており、我々が診察している中でも見かけることはしばしばあります。
しかし、猫では不整脈はほとんど起こらないとされており、不整脈があった場合、9割以上の確率で心臓の構造に異常があるとされています。
症状は?
不整脈が起きた際に出る症状は
ふらつく
失神する
歩いていて立ち止まる
食欲が落ちる
などがあります。
特に、ふらつき や失神は神経的な疾患や、運動器の疾患と判断が難しいこともしばしばあります。
不整脈の種類によっては突然死のリスクもあります。
診断は?
不整脈の診断には、身体検査や心電図検査、超音波検査などでの評価が重要となっています。特に、心電図検査や聴診での心拍数の評価や重要です。


また、病院の中で不整脈が検知されない場合、ホルター心電図という24時間身体に心電図を設置する検査を用いることで、失神などの症状が出るタイミングと不正脈の関連があるかどうかを評価する検査も重要となっています。
治療は?
①内科療法
不整脈を抑える薬(抗不整脈)を用いて心拍数を正常に近づける治療法です。
不整脈の種類により使用する薬が異なります。
また、心臓病がもともとある場合には心臓病mの治療を実施することで不整脈も改善する場合があります。
②外科療法
ペースメーカーを植え込むことで心臓の動きをサポートします。
ペースメーカーの設置には専門の2次診療施設への紹介が必要となります。
まとめ
不整脈はしばしば遭遇する疾患です。不整脈の中でも緊急性が異なるため早期の発見、評価が重要です。
当院では心電図計を用いての健康診断や、それに関連し循環器内科の相談なども受け付けております。お気軽にご相談ください。

