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猫喘息
症例
呼吸器科
猫喘息は、気道(気管や気管支)の慢性的な炎症により、気道が狭窄し呼吸が困難になる病気です。発作的に咳き込んだり、呼吸困難になったりします。
◆ 原因
主にアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)への過敏反応が原因とされます。
・ハウスダスト(ダニ・カビ)
・タバコの煙
・香水、スプレー類、洗剤などの化学物質
・花粉・ストレスや寒暖差
これらの刺激によって、炎症や粘液の分泌が起き.気道が狭くなり呼吸困難を引き起こします。
◆主な症状
咳(特に発作的)
喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)
呼吸困難(開口呼吸や腹式呼吸)
元気消失、運動を嫌がる
重症の場合はチアノーゼ(舌が青紫色になる)を示すことも。
◆診断
猫喘息は除外診断(他の病気を除外することで診断)されることが多いです。
◯主な検査
胸部レントゲン:気道の肥厚、過膨張、肺の模様の変化などを確認
血液検査:好酸球の増加など◯特殊検査
気管支洗浄(BAL):気道内の細胞を調べる(好酸球の増加)
PCRや培養:感染症の除外(猫ヘルペス、クラミジアなど)
◆治療法
治療の中心は、気道の炎症を抑えて呼吸を楽にすることです。
◯急性期
酸素吸入
気管支拡張薬(注射または吸入)
ステロイド(注射または内服)
◯慢性期(維持療法)
生活環境の改善(アレルゲンの除去)
気管支拡張薬の吸入
内服ステロイド
吸入ステロイド

◆まとめ
完治は難しいものの、多くの猫ちゃんは適切な治療を行えば、普通に生活することが可能です。
治療を中断すると症状が再発・悪化することが多いので、継続的なケアが必要になります。
重症化すると呼吸不全や慢性的な肺のダメージを引き起こすこともあるため、早期発見・治療が重要です。