top of page

猫の橈尺骨骨折
症例
整形外科
猫が高いところから落ちたり、事故にあったときに、前足の「橈骨(とうこつ)」と「尺骨(しゃっこつ)」という2本の骨が一緒に折れてしまうことがあります。特に猫では、この骨折はくっつきにくい(癒合が遅れる)傾向があるため、治療方法は慎重に選ぶ必要があります。

よくある骨折のタイプと特徴
猫の前足の骨は細くて、まわりの筋肉や血管が少ないため、治りにくいことがあります。特に、前足の真ん中あたりや先端寄りで折れることが多いです。
主な治療方法
① プレートで固定する方法(骨に金属プレートを当ててネジで止める)
骨をしっかりくっつけるのにとても効果的
手術後、早めに足を使えることが多い
猫の骨は細いので、小さなプレートを選ぶ必要があります
② ピンで固定する方法(細い金属の棒を骨の中に入れる)
比較的簡単で、骨をそ ろえやすい
ただし、動きに対する強さが弱く、ずれやすい場合もあります
③ 外から固定する方法(皮膚の外に器具をつける創外固定)
傷口があるときや、なるべく骨に触りたくないときに有効
器具を清潔に保つ必要があり、感染に注意が必要です
④ 自然にくっつくのを待つ方法(保存療法)
子猫で骨が少ししかずれていない場合などに選ばれます
しっかり治るかを何度もレントゲンで確認する必要があります
手術後の注意点
骨がくっつくまでに時間がかかることがあります
ピンや器具の部分が汚れると感染することがあります
動かさなさすぎると関節が硬くなってしまう ことがあります
一部の手術では神経に近い場所を扱うため、慎重に行う必要があります
実際の例
2歳のメス猫が高いところから落ちて、前足を骨折しました。手術で金属プレートとピンを使って固定し、3週間後から少しずつ足を使えるようになり、6週間でしっかり骨がくっつきました。




まとめ
猫の骨折治療では、「しっかり固定すること」と「できるだけ体に負担をかけないこと」のバランスが大切です。治療方法は猫の性格や生活環境も考慮して選ばれます。早く元気に歩けるようになるために、適切な方法でしっかり治療していきましょう。
bottom of page