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皮膚型リンパ腫

症例

皮膚科・耳科

皮膚型リンパ腫とは?

皮膚や皮膚粘膜移行部、粘膜に発生する白血球のリンパ球系が腫瘍化して発生するリンパ腫です。

発生率はリンパ腫全体の約3〜8%であり、皮膚科腫瘍の1%以下とされています。

皮膚型リンパ腫は上皮向性リンパ腫と非上皮向性リンパ腫に分けることができます。

 上皮向性リンパ腫は、リンパ球が表皮や毛包上皮に向かって浸潤しているものをいい、犬では上皮向性の方が多いとされています。


非上皮向性リンパ腫は、リンパ球の表皮浸潤が乏しく、真皮深層に主な病変を形成するものをいい、猫では非上皮向性の方が多いされています。ただし猫で皮膚型リンパ腫自体の報告が限られています。

 皮膚型リンパ腫は中高齢以降で発生することが多く、上皮向性リンパ腫では性差、品種間での差はないとされています。

 


症状は?

紅斑、局面、糜爛、潰瘍、鱗屑、小結節、色素脱失、痂皮、脱毛などをさまざまな症状が生じます。

軽度〜重度のかゆみが40%の症例で認められます。

発生部位は、体幹部、頭部、鼻部、足底部、皮膚粘膜移行部(鼻口唇移行部、肛門、生殖器、眼周囲)、粘膜病変(口腔内、歯槽粘膜の紅斑や腫脹)に病変が生じます。


 




診断は? 

疑わしい症状や全身状態を把握し、確定は皮膚生検を行う必要があります。

 細胞診で顆粒リンパ球が見られる場合疑わしいですが、確定診断を行うには難しいです。

  



治療は?

上皮向性リンパ種に関し、基本的には化学療法(抗がん剤)を行うことが多いです。化学療法としては、ステロイド単剤や、ロムスチン、多剤併用療法などがあります。

そのほか治療法として、レチノイド製剤などがあげられますが、催奇性があるため、ご家族に妊婦さんがいる場合は推奨されません。


近年では、アポキルやサイトポイントといったアレルギー治療薬が、痒みを抑えてくれたり、症状を改善させたという報告もあります。

治療法はさまざまありますが、上皮向性リンパ腫は進行性の疾患であり予後不良の疾患です。

治療に関しては、副作用を含め、生活の質(QOL)を高められるのはどのようなものかを考え、しっかりとお話し合いをした上で決めていくことが大切になります。 

 

 

 

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