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白血病

症例

血液科

白血病は、血液をつくる細胞(造血細胞)が異常に増殖する悪性腫瘍です。細胞起源により骨髄性白血病(Myeloid leukemia)とリンパ性白血病(Lymphoid leukemia)に分けられ、さらに急性(Acute)と慢性(Chronic)に分類されます。




■ 分類

  • 急性骨髄性白血病(AML)

  • 慢性骨髄性白血病(CML)

  • 急性リンパ球性白血病(ALL)

  • 慢性リンパ球性白血病(CLL)



それぞれの特徴は以下の通りです:

  • 急性白血病(AML・ALL)

  • 若い未熟な血液細胞が急激に増殖し、正常な血液細胞が著しく減少します。貧血、発熱、出血傾向、元気消失などの症状が短期間で現れ、進行が非常に速いのが特徴です。緊急の対応と化学療法が必要となります。

  • 慢性白血病(CML・CLL)

  • 成熟した異常な血液細胞がゆっくりと増え、初期には症状が出にくいことがあります。定期的な健康診断で偶然発見されることもありますが、進行すると貧血や免疫力低下などが見られます。


慢性白血病では、管理と経過観察を中心とした治療が取られることもあり、急性に比べると比較的ゆっくりと進行します。



■ 原因

いずれの病態も骨髄中の造血幹細胞の遺伝子異常が原因で発症すると考えられています。


猫では猫白血病ウイルス(FeLV)に関連が指摘されています。FeLVはレトロウイルスの一種で、主に唾液、鼻水、血液、母乳を介して感染します。感染した猫すべてがすぐに発症するわけではなく、感染の程度や免疫状態によって症状の出方は異なります。


FeLVによる白血病は、急性のリンパ球性白血病として現れることが多く、進行は速く、予後は厳しいことがあります。


ワクチン接種と完全室内飼育によって、FeLV感染の可能性を低下させることができます。



■ 診断と治療

診断には、血液検査・骨髄検査・X線検査・超音波検査などが用いられます。猫の場合はFeLVやFIV(猫エイズ)のウイルス検査も必須です。


治療は病型や進行度によって異なりますが、支持療法(輸血、点滴、抗生剤)や化学療法(抗がん剤)が中心です。完全な根治は難しいことが多いですが、症状を抑え、生活の質を保つことを目指します。


飼い主様へ

白血病は命に関わる病気ですが、早期発見や適切な治療によって、愛犬・愛猫に穏やかな時間を提供できることもあります。特に猫の白血病はワクチンと環境管理で予防可能な場合も多く、日頃からの健康チェックと定期検診が非常に大切です。気になる症状や不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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