top of page
02-01-group_Mono_edited.png

中耳炎

症例

皮膚科・耳科

中耳炎とは?

中耳とは耳の構造のうち、外耳と鼓膜で隔てられており、鼓膜で受けた音の振動を増幅させ、内耳に伝える役割を持つ部位のことを言います。中耳炎とは、その中耳で起こる炎症です。

中耳炎には、外耳炎から鼓膜を介して発症する続発性中耳炎と耳管を介して発症する原発性中耳炎に分けることができます。犬では続発性中耳炎が多く、猫では原発性中耳炎が多いとされています。

 



           

症状は?

中耳や周囲に痛みが生じ、口が開けにくい・難聴・掻痒などや、交感神経の損傷が生じ、食事の時に物をこぼすようになることもあります。

眼に関与した、縮瞳、眼球陥没、第3眼瞼突出、眼瞼下垂などのホルネル症候群の誘発、顔面神経麻痺、耳漏なども生じます。

内耳炎が併発している場合は、捻転斜頸、運動失調、難聴、眼振などが生じます。

外耳炎が併発しているときは、掻痒行動、耳漏、悪臭、頭を振る行動などが生じます。

 




          

診断は?

まずは耳鏡による耳道内を確認します。耳道内の鼓膜の穿孔の有無を確認し、症状が合致してる場合、中耳炎と診断していきます。ただし耳道が狭窄していたり、炎症がひどいと鼓膜を見ることができないこともあるため、しっかりと洗浄したのち、炎症の治療を行ってから再度検査することがあります。また、鼓膜の穿孔がない場合もあるので、鼓膜のあるため中耳炎ではないとは言えません。

その場合、鼓膜の異常や隆起、液体貯留が見られると中耳炎を疑います。

耳鏡では鼓膜の状態を確認できないこともあるので、できれば耳科内視鏡・オトスコープを使用する方が耳道内を観察しやすいです。また、中耳内の評価もできるので、中耳炎の可能性がある場合は、オトスコープを所有している病院での診察を推奨いたします。

そのほかの検査として、レントゲン、CT、MRIなどの画像検査により中耳の骨変化や鼓室内の病変を評価することもあります。

   




 

治療

中耳内の液体を採取し、細胞診や細菌培養検査を行います。採取の際はオトスコープを使用し、カテーテルを使用し中耳内部の英期待を吸引します。中耳内への処置が困難なほど、耳道が狭窄している場合は、炎症の治療を行い、狭窄を解除してから処置を行います。

また、鼓膜がある場合は鼓膜に穴を開け、内部の処置が行えるようにします。

その後、中耳内部をカテーテルを使用し、十分に洗浄を行います。洗浄後は、中耳内部にステロイドを注入します。

中耳内の処置後は、定期的にカテーテルを使用した耳洗浄をを行いつつ、局所療法もしくは全身療法を行います。

局所療法はステロイド含有の点耳薬の使用や、抗菌薬の液剤を使用します。

全身療法では、細菌培養をもとに抗菌薬を決定し、行っていきます。

最初に行う中耳内の液体の採取や、中耳内の洗浄には麻酔下でのオトスコープを使用し行う必要があります。





そのため中耳炎を治療していくには、オトスコープを所有している病院での処置が必要です。

中耳炎を疑う場合、最良の治療を選択するため、専門病院や二次病院を紹介することがあります。

bottom of page