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多形紅斑
症例
皮膚科・耳科
多形紅斑とは?
様々な要因(薬物、細菌、食物、ウイルス、腫瘍など)で引き起こされる表皮角化細胞の個細胞壊死(アポトーシス)を特徴とする免疫介在性の疾患です。
犬、猫共に稀に発症します。人の多形紅斑では、ヘルペスウイルス関連性のものが多いとされています。
発症機序は明確には解明されていません。


症状は?
その名の通り、さまざまな症状が見られます。典型的なものは、同心円状の3色の層からなる標的病変が認められます。そのほかに紅斑や丘疹、局面が認められ、症状が進行していくと糜爛や潰瘍を呈します。痂皮や鱗屑、蕁麻疹様症状を呈することもあります。
皮膚のみ症状がみられる場合、全身症状は認められないことが多く、粘膜境界部に症状がみられる場合、発熱や元気消失などの全身症状が認められるが多くなります。
皮膚症状は、腹部(脇周囲や鼠径周囲など)にみられ、粘膜病変は口腔や眼瞼などでみられることが多いです。

診断は?
多形紅斑はさまざまな症状がみられるため、症状からでは診断が難しい疾患です。皮膚検査を行い、感染症などの他の疾患の鑑別を行う必要があります。他の疾患の可能性が低い場合、皮膚生検を行って確認する必要があります。

治療は?
まずは発症要因を精査し、可能性のある発生要因を除去していきます。軽度の症状であれば、数週間で改善していくこと多いです。
潰瘍や糜爛が見られる場合、ステロイド剤に使用や免疫グロブリン製剤の点滴を用いられます。
ステロイドの場合、症状が改善したら、徐々に漸減していきます。
慢性的なものであれば、免疫抑制剤(シクロスポリン やアザチアプリンなど)が有効なこともあります。

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