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犬の膵炎

症例

消化器科

犬の膵炎(すいえん)は、膵臓に炎症が起きることでさまざまな症状を引き起こす病気です。特に急性膵炎は命に関わる場合もあり、早期の診断と適切な治療が非常に重要です。



【膵臓の犬の体内での役割】

膵臓は、食べ物の消化を助ける消化酵素を分泌するとともに、血糖値を調整するホルモン(インスリンなど)を分泌する重要な臓器です。この膵臓に炎症が起こると、消化酵素が自己組織を攻撃し、腹痛や嘔吐などの症状が現れます。



【犬の膵炎の種類】

膵炎には大きく分けて「急性膵炎」と「慢性膵炎」の2種類があります。

  • 急性膵炎:突然発症し、重症化することがあります。早期の治療が必要です。

  • 慢性膵炎:長期間にわたり軽度の炎症が続くタイプで、食欲不振や体重減少などがみられます。



【主な症状】

以下のような症状が見られる場合、膵炎の可能性があります。

  • 繰り返す嘔吐

  • 食欲不振

  • 元気がない

  • お腹を触られるのを嫌がる(腹痛)

  • 下痢

  • 発熱




【原因とリスク要因】

膵炎の原因は明確でない場合もありますが、以下のような要因が関与するとされています。

  • 高脂肪食の摂取(人間の食べ物や脂身)

  • 肥満

  • 代謝性疾患(糖尿病、高脂血症など)

  • 薬剤の副作用(ステロイドなど)

  • 強いストレスや外傷

  • 特定犬種の体質(ミニチュア・シュナウザー、ヨークシャー・テリアなど)





【診断方法】

膵炎の診断には以下のような検査が用いられます。

  • 血液検査(特に犬膵特異的リパーゼ:Spec cPL)

  • 超音波検査(膵臓の腫れや周囲の炎症を確認)

  • レントゲン検査(他の疾患との鑑別)



【治療法について】

膵炎の治療は、症状の重さや個体差に応じて行われます。

  • 絶食・絶水

  • 輸液治療(点滴で脱水や電解質のバランスを整える)

  • 鎮痛剤や制吐剤の投与

  • 重症例では入院治療が必要となる場合もあります



【再発防止と日常ケア】

膵炎は再発しやすい病気でもあるため、治療後の食事管理や生活習慣の見直しが重要です。

  • 獣医師の指示に従った療法食の継続

  • 人の食べ物は与えない

  • 定期的な体重測定と健康チェック

  • ストレスの少ない生活環境の整備



【まとめ】

膵炎は早期に発見し、適切に治療することで予後が大きく変わる病気です。「いつもと違うな」と感じたときは、迷わず動物病院へご相談ください。

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