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落葉状天疱瘡
症例
皮膚科・耳科
落葉状天疱瘡とは?
犬や猫で発生する自己免疫疾患で、表皮の細胞間接着分子であるデスモコリン1やデスモグレイン1に対する抗体により、細胞間接着への障害が生じる疾患です。
犬では、チャウチャウ、秋田犬、コッカースパニエル、
ダックスフンド、ラブラドールレトリバーなど好発犬種とされています。
症状は?
犬の皮膚の症状は丘疹、膿疱、糜爛、痂皮などが生じます。皮膚以外の症状もあり、発熱、 嗜眠、食欲不振、跛行などが生じることがあります。
発生部位は鼻梁部、眼周囲、耳介外側で発生し、ほとんどが左右対称性です。症状が進むと、腹部や背側にも生じます。痒みも約17%で中程度から重度に発生すると言われています。
猫の症状は膿疱は顕著ではなく、巣状の痂皮形成が特徴的です。また爪周囲に病変がみられ、チーズ様滲出物や痂皮形成が認められることが多いです。


診断は?
落葉状天疱瘡を疑う症状が見られた場合、まず細胞診を行います。
棘融解細胞という表皮の細胞が剥がれて生じる細胞や変性していない好中球を確認します。その上で、皮膚生検を行っていきます。
場合により、採取した検体を免疫染色を行うこともあります。
治療は?
免疫疾患であるため、免疫抑制量でのステロイド、免疫抑制剤を用いることが多いです。近年ではアポキルも落葉状天疱瘡に有効であるとの報告もあります。
ただし短期の投与で完治する疾患ではなく、生涯にわたる治療が必要になります。
落葉状天疱瘡は、皮膚の症状の見た目が膿皮症に似ています。膿皮症の治療をしていて、なかなか治らないなどのことがあればご相談ください。
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