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肛門周囲腺癌

症例

腫瘍科

肛門周囲腺癌は、犬の肛門周囲腺から発生する悪性腫瘍です。



【病態】

・肛門周囲線がある場所(肛門周囲、会陰部、尾の付け根、腹部皮膚など)

・中〜高齢犬で発生が多い

・性ホルモンには関連しない

・局所浸潤性が強く、再発・転移のリスクあり

肛門周囲腺癌
肛門周囲腺癌

【診断】

◆視診・触診

・肛門の周囲に硬く、不整な塊が確認できる

・潰瘍化して出血していることもある。


◆血液検査

・その他疾患の除外を行う。


◆画像診断

・レントゲンやエコー、CT、MRIで局所浸潤やリンパ節転移・遠隔転移などを確認します。


◆細胞診(FNA)

・良性との鑑別が困難なことも多い。


◆病理組織検査

・外科的に腫瘍を切除し、病理検査で悪性かどうか、浸潤や異型性の程度などを確認、確定診断を行います。


【治療】

◆外科的切除

・可能な限り広範囲に切除。再発予防には周囲組織も含めます。

・肛門括約筋に近いと完全切除が困難な場合があります。


◆化学療法(抗がん剤)

・転移や再発のリスクが高い場合に使用します。


◆放射線療法

・手術が困難な場合や、残存腫瘍の局所制御に用います。

・実施可能な施設が限られます。肛門周囲腺癌は、浸潤や転移の起こりやすい癌であり、転移の有無や、手術で完全切除ができるかどうかが余命に大きく関わります。



見た目で発見できる場所に発生するため、日頃の観察と早めの受診が大切です。

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