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尿石症

症例

泌尿器科・生殖器科

尿石症は、犬や猫の尿路(膀胱や尿道など)に結石ができる病気です。排尿時の痛みや血尿、頻尿、場合によっては尿が出なくなるなどの症状が見られ、放っておくと命に関わることもあります。特に多く見られるのが「ストラバイト結晶」と「シュウ酸カルシウム結晶」です。

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■ ストラバイト結晶(リン酸アンモニウムマグネシウム)特徴

ストラバイト結晶は、比較的若齢〜中齢の犬猫に多く見られます。尿がアルカリ性(pHが高め)になることで形成されやすく、特に猫では膀胱炎などの炎症が関与していることもあります。



原因

  • 尿のpHが高い(アルカリ性)

  • マグネシウム・リンの過剰摂取

  • 尿路感染(特に犬で多い)

  • 水分摂取量の不足



治療と管理

  • 食事療法:pHをコントロールし、マグネシウムとリンの量を制限した療法食の使用

  • 水分摂取の促進

  • 抗生物質(感染がある場合)

  • 定期的な尿検査による経過観察


予後

食事療法によって比較的溶解しやすい結晶であり、早期に対処すれば再発も予防できます。



■ シュウ酸カルシウム結晶特徴

シュウ酸カルシウム結晶は中高齢の犬猫に多く見られ、尿が酸性〜中性の場合に形成されやすいのが特徴です。ストラバイト結晶と違って、食事療法では溶けません。


原因

  • 尿のpHが低い(酸性)

  • カルシウムやシュウ酸の過剰摂取

  • ビタミンDの過剰摂取

  • 遺伝的要因(特定の犬種や猫種に多い)



治療と管理

  • 結石の大きさや部位によっては外科的な除去が必要

  • 食事療法:カルシウムとシュウ酸の摂取量をコントロールし、尿pHを中性に近づける

  • 水分摂取の促進

  • 定期的なモニタリング(尿検査・画像検査)



予後

一度できてしまうと再発しやすく、継続的な管理が必要です。

尿石症は予防が大切です結石の種類によって治療法や管理方法が異なるため、正確な診断がとても重要です。尿検査やレントゲン・超音波検査などを通して、早期に異常を見つけることができます。


また、十分な水分摂取と、適切なフード選びが予防には欠かせません。気になる症状がある場合や、過去に尿石症を経験したことがある子は、ぜひ定期的な健康チェックをご相談ください。


尿石が尿道閉塞を引き起こすことも


尿石が悪化すると、膀胱内で出来た結石や結晶が尿道につまり、『尿道閉塞』という命に関わる危険な状態を引き起こすことがあります。

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