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動物の義肢装具

アリアスペットクリニック 院長の別府です。

ここのところ、物騒なニュースが続いておりますが、今日からいよいよ北京パラリンピックが始まります。日本選手団の主将で、アルペンスキー女子大回転で五輪2連覇を目指す村岡桃佳選手をはじめ、オリンピックに続いて日本選手の活躍に期待したいですね。


パラスポーツ選手たちが競技中に使用する義足などの装具、どんどん進化していて見た目にもスタイリッシュなだけではなく、機能的にも優れていて、とても障害者スポーツとは思えないほどのパフォーマンスで見る人たちを感動させてくれます。そんな装具ですが、動物用にも様々なものが開発されていることをご存じでしょうか?

今回は「動物の義肢装具」についてお話したいと思います。




こちらのダックスちゃんは関節リウマチという病気によって前足の手根関節(手首)の骨が溶けてしまい、手首を上手に使うことができないうえに痛みも強く、歩くことが難しくなってしまいました。


一時期は既製品の装具で手首を支えることで、少し歩きやすくなりましたが、病気の進行によって既製の装具では機能しなくなった手首を十分に支えることができず徐々に歩きにくくなっていきました。



そこで、私が勤務医時代からお世話になっている動物の装具士さんの島田 旭緒さん(東洋装具医療器具製作所)にご相談して、新たな装具をオーダーメイドで作製することになりました。



ワンちゃんそれぞれにぴったりと合う装具にするために、石膏を使って患部の型を取ります。動物義肢装具士の島田さんに病院まで直接お越しいただき採寸していただきました。


石膏が皮膚や毛に付かないようにストッキングをはいて、


その上から石膏のしみ込んだ包帯を巻きつけて固まるのを待ちます。

片足で4-5分、両前足で10分程度で型取りはおしまいです。



より体に合った装具にするために幹部以外の採寸も細かく行います。



体についてしまった石膏などをお掃除しておしまい。いつもと違う雰囲気で終始緊張した表情でしたが、しっかり頑張ってくれました。お疲れ様!


この型をもとにして、足の立体模型を作り、その模型に合わせて装具を作製することで足にぴったりとフィットする装具が出来上がります。完成は2-3週間後、また元気に歩けるようになるか楽しみです。


いつもお世話になっている島田さんという装具士さんは、もともとは国家資格である義肢装具士として人の装具を作製する傍ら、動物用装具の開発という使命のために動物病院に通い詰めて動物の体について研究し続け、ついには日本で初めての動物専門の義肢装具を作製する会社(東洋装具医療器具製作所)を設立した、とても頼れる装具士さんです。

最近はメディア出演も多く、「笑ってこらえて」や「坂上どうぶつ王国」などで特集されるほどの方です。



そんな島田さんについてはこちらもご覧になってみてください→https://onl.la/gNC12jG(動画は期間限定となります)



アリアスペットクリニック

院長

獣医師

別府

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