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動脈血栓塞栓症

症例

循環器科

⚪︎動脈血栓塞栓症とは?

動脈血栓塞栓症(どうみゃくけっせんそくせんしょう)とは、心臓から全身に血液を送る血管である大動脈やその分岐部に血栓が詰まる疾患のことです。

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犬でも発症することはありますが稀であり、猫の肥大型心筋症において発症するリスクが高い病気となっています。



⚪︎症状は?

  • 後肢の麻痺

  • 血色の変化

  • 足先の冷感 

  • 激しい疼痛

  • 呼吸困難


などがあります。

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前触れもなく、突然発症することが多く緊急性のとても高い疾患となっています。


また、後肢の血管に血栓が詰まった状態で時間が経つと体幹部の血液と詰まった部位よりも遠い部位の血液中のミネラルバランスなどに差が生まれます。


何らかのタイミングで血流が再開するとミネラルバランスが異なる血液が身体の中に入ってきて重篤な症状を示す場合があります。これを再還流症候群と言います。



⚪︎原因は?


多くの原因は心不全から続いて発症するケースが多いです。


特に、肥大型心筋症が進行してくると血流が悪くなることで左心房内に血液が滞り血栓ができやすくなります。


その血栓が何らかのタイミングで血流に乗ってしまうことで、動脈で詰まって症状が出ます。



⚪︎診断は?

診断には、身体検査、超音波検査、レントゲン検査などが重要となっています。

身体検査では、後肢(時には前肢の場合も)の冷感、反応の低下、無脈が特徴です。

レントゲンや超音波検査で心臓の状況の確認や血栓症以外の病気がないかどうかの判断を実施します。


また血液検査で他の疾患の可能性を探すことも重要となっています。



⚪︎治療は?


治療のメインは主に疼痛の緩和や、再発の予防が目的となっています。


①鎮痛剤

血栓が詰まると激しい痛みが生じるのでその痛みを緩和させます。


②抗血栓療法

さらなる血栓の予防を目的に実施します。


③酸素化療法

血栓症と肺水腫を同時に発症している場合もあるので、その際に呼吸状態の改善を奥敵として実施します。


④心疾患の治療

先ほどからお伝えしている通り、多くは心筋症が原因で血栓症になるので、原因となる心筋症の治療を実施します。また、血栓を溶かす治療(血栓溶解療法)は血栓が詰まった直後であれば実施を検討する場合もありますが、実施をして予後の改善につながるといったデータが乏しいこと、時間経過した状態であると死亡リスクをあげる要因があることから、一般的には推奨されません。



⚪︎予後は?

再発率は高く、正直予後はあまり長くありません。

しかし、定期的な検診を実施することで心筋症による突然死リスクの低下や血栓症のリスクの軽減や予防につながります。


当院では、心臓の検査を含めた健康診断や循環器内科の治療相談も実施しております。お気軽にご相談ください。

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