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異物誤飲
症例
内視鏡外科
犬や猫は好奇心が強く、ときに本来食べるべきでない異物(遺物)を口にしてしまうことがあります。特に若齢の子や遊び好きな性格の子では、誤飲のリスクが高く、時に生命に関わる重篤な状態に陥ることもあります。

病態
異物誤飲とは、本来消化できない物体(おもちゃ、布、紐、ビニール、骨、釘など)を誤って飲み込んでしまい、消化管内に異物が留まることで機能障害を引き起こす状態です。異物の性状・大きさ・形状・材質によって、以下のような問題が発生します:
胃や腸での物理的な閉塞(腸閉塞)
鋭利な物体による消化管の損傷・穿孔
腸の一部がねじれたり(腸捻転)、壊死を起こす可能性
中毒物質(電池やタバコなど)による中毒症状
特に猫では「ひも状異物(毛糸、紐、リボンなど)」の誤飲が多く、腸管が引き伸ばされることで線状異物症候群を引き起こすことがあります。
症状
症状は異物 の種類や滞在場所、滞在時間によって異なりますが、以下のような兆候が見られます:
食欲不振・絶食
嘔吐(内容物に異物が混ざることもある)
腹痛(触ると嫌がる)
下痢または便秘
落ち着きがなくなる、ぐったりする
場合によっては、誤飲に気づかず、数日~数週間後に症状が現れることもあります。
診断
以下の方法で診断を進めます:
問診:飼い主様からの情報が非常に重要(何を、いつ、どれくらい食べたか、もし可能ならば誤飲したものと同じものを病院までご持参ください)
身体検査:腹部の触診、口腔内の確認など
X線検査:金属や プラスチックなどの異物なら映ることがあります
超音波検査:軟性異物(布やひもなど)の検出に有効です
必要に応じて、消化管内造影検査や血液検査で全身状態を評価することもあります。
