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熱中症の危険性

こんにちは!

アリアスペットクリニック動物看護師の佐野です

5月に入り暑く感じられる日が増えて来ましたね💦


ゴールデンウィークは自宅でのんびり過ごされた方も多いのではないでしょうか。

1ヶ月以上に渡った緊急事態宣言もついに解除され、外出される方もいるかも知れません。



今回は、熱中症についてまとめてみました。




実は犬猫の熱中症は5、6月に多いのをご存じですか?


例年ゴールデンウィーク前後から、動物病院には熱中症で運びこまれる犬が急増します。


「まだそんなに暑くない時期なのになぜ?」


と思う方もいるかもしれませんね。


夏場と比べてこの時期には、愛犬・愛猫の異変を感じても、熱中症と結びつかないケースも多いようです。

詳しくお話ししていきましょう🧐




春なのに……!?

犬は人間に比べて熱中症にかかりやすい体のしくみをしています。人間ならば汗をかいて熱を体外に放出することができますが、犬は口からのハァハァという呼吸(パンティング運動)でしか体から熱を逃す方法がありません。



普段犬は、呼気そのものや唾液などの水分を蒸発させることにより熱を逃がして体温を調節をしています。けれども、湿度が高いと水分が蒸発せず、体温を逃がすことが難しくなってしまいます。


実際に、ペット保険会社などが調べたデータによると、熱中症を発症した犬の中でも、気温が22度、湿度が40%を超える分布図の範囲での発症例が多数見受けられます。


気温25度の爽やかな春の日に「木陰に置いた、風とおしの良いソフトクレート内で発症した」とか「6月小雨の日に車の窓を開けてキャリーケースの中で、コンビニに寄っている間の10分足らずに発症した」などの話は珍しくありません。



春に熱中症が多い理由

①犬の体が暑さに慣れていないこと。

②犬の体が多湿に慣れていないこと。


熱中症の発症リスクは湿度が高いとアップします。


③緊張して息が荒くなったこと。


飼い主さんの姿が見えなくなったりして不安感を抱くと、犬は口を開けてハァハァと速い呼吸をします。こうした呼吸の乱れも熱中症を招く恐れがあるので要注意です。



どんな様子になるのでしょうか?


呼吸が荒くヨダレを流し、嘔吐をして体温は40度以上に上昇し、更に酷くなると血便が出て更には意識を失い痙攣します。




どんな犬種に多いのでしょうか?



短頭種の犬

シーズー・パグ・フレンチブルドッグ・ボストンテリア・狆(チン) など

短頭種の犬は気道が短く呼吸がしづらい特徴から、熱中症にかかりやすいとされています。


寒い国の犬

コーギー・シベリアンハスキー・ゴールデンレトリーバー・グレートピレニーズ・ボーダーコリー・オールドイングリッシュシップドッグ など

寒い地域に住む犬という意味ではなく、寒い国で生きるように体が出来ている犬のことです。他の犬種より毛が密集しているため、熱中症にかかりやすくなります。


その他

子犬や老犬、循環器、呼吸器官の弱いワンちゃん、肥満ぎみのワンちゃんもとくに注意が必要です。脂肪は熱を内側に留めてしまうため、体温を上げてしまいます。





では、熱中症の予防法は?


熱中症は飼い主さんの管理でほとんどが予防できます。

まず、気温が20度を超えたら熱中症を発症する可能性があると心得ておきましょう。

涼しくても日光が照っていなくても、一緒に出かけるときは愛犬をなるべく不安にさせないように。たとえ数分であっても、愛犬を車内に置き去りにするのは禁物です。


気温もそんなに高くないからと安心して、愛犬の息が上がるほどに運動させてしまうのも危険です。呼吸が荒々しくなっていないかなど、ときどき確認しながら外出と運動を行いたいものです。

外出中は、こまめな水分補給と、口を開けて息をしているようなときは、保冷剤で首の後ろや内股をたまに冷やして体温の上昇を防ぐのもよいでしょう。

保冷剤をハンカチで包んで数秒ずつ内股に当てがう。
保冷剤をハンカチで包んで数秒ずつ内股に当てがう。


自宅や宿泊先で留守番をさせるときは、部屋の湿度の上昇を抑えるためにエアコンをつけておけば安心です。

ですが、急なトラブルでエアコンが効いていない事故も起こり得ます。最近のエアコンですと遠隔機能等を駆使するのもいいでしょう。朝晩は涼しくても日中は気温がぐんと上昇したりするのでご注意を。




こまめに体を触って確認しましょう。

愛犬・愛猫が興奮しやすい性格の場合、興奮による体温上昇にも気をつけてください。また、室内で一緒に過ごす際も、愛犬・愛猫が生活する位置での温度・湿度のチェックを心がけましょう。


猫の場合、自由に動ければ、自分で過ごしやすい場所を見つけます。西日の差し込む部屋や空気がこもりやすい押し入れの中などに、うっかり閉じ込めてしまわないように注意してください。




もしもの時は

急いで動物病院へ。その際、可能な限り車内は冷房で冷やし、水で濡らしたタオルなどで愛犬の首や体を包むなどしてください。



⚠️氷水をかけて全身を濡らすなどは避けて下さい。

体表面全体が冷気で包まれると熱の逃げ道が無くなり、体内の熱が閉じ込められてしまいます。太い動脈の通っている首、脇、内股を冷やして体内から冷ましましょう。


体温を下げて症状が落ち着いたように見えても、油断は禁物です。見た目は平常に戻っていても、体内の循環器や臓器がダメージを受けている可能性があるため、必ず動物病院で診察を受けるようにしましょう。


ぜひ愛犬・愛猫と、熱中症知らずの心地よい日々を、楽しめますように☺️


アリアスペットクリニック

動物看護師

佐野

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