秋こそ本番!マダニの恐怖!

こんにちは。 獣医師の岩上です。 夏真っ只中ですが、皆さん体調崩していませんか?涼しい秋が待ち遠しいです。

そこで今回はこれからの秋に向けて、マダニの話をしたいと思います。 秋にマダニ?と思われるかもしれませんがその理由もしっかり書いてありますので、これを読んで、秋に向けてしっかり準備していきましょう!


マダニは草むらなどに生息し、動物に寄生して吸血することで生きている外部寄生虫です。 マダニは卵から孵化した後、吸血と落下、脱皮を繰り返しながら幼ダニから若ダニ、成ダニへと成長していきます。

成ダニでは通常3~4mm 程度、吸血後は 1 cmほどまで大きくなり、 家の中にいる家ダニとは異なる種類のダニです。 関東でよく認められるフタトゲチマダニは山など木々が生い茂っている所だけでなく 庭や公園などのちょっとした草むらでも寄生が認められています。犬の場合はお散歩中に寄生され、発見されることが多いですね。

マダニの吸血は皮膚の損傷や貧血といった直接的な病害だけでなくアレルギー反応を起こしたり、バベシア症やライム病などの様々な病原体が犬に感染してしまうリスクがあります。


また、マダニは人にも寄生するため日本紅斑熱やツツガムシ病など人獣共通感染症も問題になります。最近では人に重篤な症状を引き起こし、命にかかわることもある重症熱性血小板減少症 (SFTS)が注目されていることもあり、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?

SFTSは感染すると、潜伏期間を経て、発熱や消化器症状、重症だと神経症状や血小板減少からの出血症状が認められます。治療は対症療法のみで、有効な治療薬はありませんし致死率も 6.3~30%と高い、マダニ媒介性人獣共通感染症の中でも怖い病気です。西日本中心で発症が認められる病気でしたが、 最近では静岡、先日ついに関東の千葉県でも人の感染が報告されました。神奈川県でも注意が必要です。


関東地方で初めて感染が確認された重症熱性血小板減少症候群の1例(国立感染症研究所)


では、どうやって病気から身を守ればいいのでしょうか?

マダニは動物の体を刺してから本格的に吸血を始めるまでにタイムラグがあり、病原体が体に入るのは刺されてから 24~48 時間後と言われています。したがって、日頃から愛犬、愛猫に駆虫薬を使用し、外でつけてきてしまったマダニが害を及ぼす前に駆虫することが重要です。それにより飼い主様自身の感染のリスクも下げることができます。

春から駆虫薬を飲んで頂いている方が多いと思いますが、マダニが一番多い時期がいつなのか、皆さんご存知でしょうか?

春から出始めて、夏が多いと思われがちですが、実は秋が一番多いです。

マダニの成長ステージごとの調査確認数を月推移で比較したグラフを見てみましょう。

「全国の犬と猫におけるマダニの寄生状況調査およびBorrelia garinii/Babesia gibsoni 保有状況調査(岩上慎哉)2013年発表」

これからの 9 月~10 月がピークになっていますよね? 春に吸血したマダニは、夏にかけて卵を産み、秋に幼ダニが孵化します。幼ダニは孵化した場所で固まって生息しているのでお散歩中にその巣に踏み込んでしまうと、大量寄生される場合があります。 寄生されるのは頭部が多く、特に耳や目の周囲が多いです。


お散歩から帰ったら、特に顔周りはチェックしてみましょう。 マダニは無理に引きちぎると口が残って炎症を起こしますのでもし寄生が認められた場合は動物病院にご相談ください。


みなさん、いかがでしたか?

マダニは小さいですが、人獣共通感染症を多く持つ怖い寄生虫です。秋以降の予防薬は準備できていますか?これから涼しくなる秋に向けて、ノミ・マダニ予防をしっかり行い、大切なご家族である愛犬・愛猫の健康と、飼い主様ご自身の健康を守っていきましょう。 関東は暖かく、ノミ・マダニは冬でも寄生が認められていますので、当院では通年予防をおすすめしております。ノミ・マダニ薬を分割購入などで、お手持ちが無くなった方や冬の間の分がない方は当院まで気軽にご相談ください。


アリアスペットクリニック

獣医師

岩上

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