強心薬は寿命を伸ばす!?
- 安達 貴裕

- 5月27日
- 読了時間: 3分
更新日:7月28日

こんにちは!獣医師の安達です。
今回は、心臓病のわんちゃんでの強心薬の重要性をテーマにお話したいと思います!
わんちゃんでは「僧帽弁閉鎖不全症」が心臓病の中で一番多い病気です。
この病気は、最初は症状がなくてもだんだんと心臓に負担がかかり、
ある時期から 咳や呼吸の乱れ、最悪の場合、肺水腫となり亡くなってしまうなど“心不全の症状” が出てきます。
その“心不全になる時期”をしっかり遅らせてくれるお薬が強心薬(ピモベンダン)です。

強心薬はどんな薬?
強心薬には2つの大切な作用があります!
心臓のポンプ力をサポートする
血管を広げて心臓の負担を減らす
わかりやすく言うと、
心臓を「楽に」「しっかり」動かせるようにしてくれる薬です。
具体的に飲んでいるとどのような効果があるのでしょうか?
心不全(C)になる時期を 約15ヶ月 遅らせる効果がある!
僧帽弁閉鎖不全症には大きく5つのステージ分類があります。
A:リスクはあるが、まだ発症していない
B1:心臓の形態に異常はあるが、心拡大がない
B2:心臓の形態に異常があり、心拡大がある
C:肺水腫の症状が起きているor起きたことがある
D:肺水腫を繰り返していて治療が困難である
に分けられます。

一般的に強心薬はステージB2以上になったタイミングで開始します。
心臓のサイズが大きくなった B2 の段階では、まだ咳や呼吸困難などの症状は出ないこともしばしばあります。
しかし、無症状でも心拡大が認められ始めたステージB2の時期から強心薬を使うことで、ステージB2からCになる時期を強心剤を全く飲んでいなかった子と比べ、平均15ヶ月(1年以上)遅らせることができる。という研究結果が出ています。
たった15ヶ月!?と思ってしまう方も少なくないかと思いますが、わんちゃんの平均寿命がおよそ15年程度と考えるとその中の15ヶ月はとても大きいものだと思いませんか?
〇強心剤の大きなメリットは
心不全になるまでの時間が延びるだけでなく、元気・食欲・活動量など「生活の質(QOL)」の良い時間が増えるという点です。
実際に診ているわんちゃんでも、ピモベンダンを始めてから
• お散歩が楽しめるようになった
• 息が上がりにくくなった
• 食欲が戻った
• 咳が減って落ち着いた
などの変化が見られることもしばしばあります。

〇まとめ
強心薬は、わんちゃんの“今日の元気”と“これからの時間”を守るお薬です。
使うべき時期かどうか、薬を調節する必要があるかを見極めるには定期的な健診や、早期発見がとても重要です。
できるだけ長く、穏やかで楽しい毎日を飼い主様と過ごせるよう、私たち獣医師はしっかりとサポートしていきます!
僧帽弁閉鎖不全症についてさらに知りたい飼い主様は以下のブログを参照にしてください!






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