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見た目だけでは分からない?歯科レントゲンが大切な理由!


愛犬・愛猫のお口の健康を守るために、当院では歯科処置の際に歯科レントゲン検査を毎回必ず行っています。


歯科レントゲン装置
歯科レントゲン装置

「口の中は見えているのに、なぜレントゲンが必要なの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、人と同様に犬や猫の歯も見えている部分だけが歯ではなく、歯の約半分以上は歯ぐきの中に埋まっています。歯根や周囲の骨の状態は外から見ることができません。そのため、見た目がきれいでも病気が隠れていることがあり、そして実際に、多くは歯ぐきの下や顎の骨の中で進行しています。


歯科レントゲンの重要性を示した有名な研究があります。


1998年にVerstraeteらが行った研究では、一見正常に見える犬の歯を歯科レントゲンで詳しく調べたところ、41.7%の歯に何らかの異常が見つかりました。さらに27.8%は治療方針に影響を与える重要な病変だったと報告されています。


また猫を対象とした同じ研究では、口の中の診察だけでは発見できなかった病変が数多く見つかりました。特に、すでに何らかの歯科疾患が認められていた猫では、54%で追加の病変が発見されています。



歯科レントゲンによって発見できる病気には、歯周病による骨の吸収、腫瘍や骨折、折れた歯根が残っている状態、そして猫で非常に多い「吸収病巣(歯が溶けてしまう病気)」などがあります。特に猫の吸収病巣は強い痛みを伴うことがありますが、初期には外見上ほとんど分からないことも少なくありません。レントゲンを撮影することで初めて診断できるケースも多くあります。

歯周病のレントゲン画像
歯周病のレントゲン画像

また、歯科レントゲンは病気の診断だけでなく、生まれつきの歯の異常を発見するためにも役立ちます。歯の本数が足りないように見えても、実際には歯ぐきの中に埋まったままになっている「埋伏歯」や、歯の形そのものに異常がある「奇形歯」などもあります。こうした異常は若いうちに発見することで、将来的なトラブルを予防できることがあります。

奇形歯のレントゲン画像
奇形歯のレントゲン画像
奇形歯の実物
奇形歯の実物

切歯乳歯の「破折」と切歯永久歯の「埋伏歯」があり、犬歯の永久歯が生まれつき存在しない「欠歯」も併発しています。
切歯乳歯の「破折」と切歯永久歯の「埋伏歯」があり、犬歯の永久歯が生まれつき存在しない「欠歯」も併発しています。

そのため当院では、歯科処置時だけでなく、必要に応じて避妊・去勢手術など全身麻酔を行う機会に歯科レントゲンを撮影し、生まれつきの異常や隠れた病気がないか確認することがあります。症状が出てから治療するのではなく、早期発見・早期対応につなげることが目的です。


歯科レントゲンは、人間でいう健康診断のような役割も担っています。見た目だけでは分からないお口の状態を確認することで、より正確な診断と適切な治療が可能になります。愛犬・愛猫のお口の健康を守るために、歯科レントゲンは非常に大切な検査なのです。


アリアスペットクリニック湘南平塚

副院長 獣医師

岩上


【参考文献】

Verstraete FJM, Kass PH, Terpak CH. Diagnostic value of full-mouth radiography in dogs. Am J Vet Res. 1998.


Verstraete FJM, Kass PH, Terpak CH. Diagnostic value of full-mouth radiography in cats. Am J Vet Res. 1998.


Lommer MJ, Verstraete FJM. Radiographic patterns of periodontitis in cats: 147 cases (1998–1999). J Am Vet Med Assoc. 2001.

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