レプトスピラ症の恐怖



⚠️神奈川県内でワンちゃんのレプトスピラ症が発生しました ⚠️

10 月下旬、逗子の動物病院でレプトスピラ感染症が確認されました。残念ながら感染した ワンちゃんは亡くなってしまったようです。


レプトスピラ症ってなに?

レプトスピラ症は、感染症法で第4類感染症に指定されている細菌性人獣共通感染症で、 人にも感染する可能性があり、注意が必要な病気です。



主にネズミなどの野生動物が保菌していて、おしっこと一緒に体外に排泄されます。人やワンちゃんへは菌を含んだ尿との接触や、尿で汚染された土壌や水に接触することで、皮膚や口を通して感染します。



人もワンちゃんの感染経路は同様だと考えられていますが、一方で過去の研究からワンちゃんから人への感染する確率は極めて低いと考えられています。レプトスピラは湿った環境や淡水中では数か月生存します。環境中で生き残ったレプトスピラが台風などの風雨や河川の増水によって汚染域が広がりやすくなるため、秋を中心に発生が多くみられます。 温暖・多湿な環境を好む細菌で日本でも西日本に発生が多い病気です。神奈川県では過去 10 年で 5 件の発症例が報告されています。






感染するとどうなるの?

レプトスピラが体内に侵入すると主に腎臓や肝臓で増殖するため、これらの臓器に関連し た症状がみられます。感染したワンちゃんの多くは黄疸といって、白目が黄色くなったり、 おしっこが濃くなったり(濃い黄色~オレンジ色)する症状がみられるほか、元気消失、 食欲不振、発熱などの症状もみられます。

また、腎臓が障害されることでおしっこの量が 急激に減ったり、全く出なくなるといった症状がみられることもあります。感染によって全身的に強い炎症が起こるため、播種性血管内凝固(DIC)全身性炎症反応症候群(SIRS) による多臓器不全に移行して、死に至ることも多い怖い病気です。


感染しないためにできること

上に書きましたように、野生動物の尿で汚染された環境から感染することが多い病気です ので、不用意に発生地域に近寄らないこと、土壌や水場に近寄らないことが一番簡単な予 防法です。

しかしそれでも 100%防げるわけではありませんし、もし発生地域に行く必要がある場合にはレプトスピラに対するワクチンを接種することで予防することを考えましょう。

6 種以下の混合ワクチンには通常レプトスピラワクチンは含まれていません。

レプトスピラ 症の予防には 7 種以上の混合ワクチンを接種する必要があります。また、レプトスピラには多くの血清型があり、それぞれの血清型に対応したワクチンでないと予防効果はありません。

当院では、現状では最も多い 4 種類の血清型に対応できるワクチン(10 種混合ワクチン、レプトスピラ単味 4 血清型ワクチン)を用意しております。これからワクチンを接種するワンちゃん、最近ワクチンを接種したワンちゃんそれぞれに必要なワクチンが異なりますので、レプトスピラの予防が必要な際には当院スタッフに一度ご相談ください。



【レプトスピラ症 2021 まとめ】 ・神奈川県、逗子市で犬のレプトスピラ症が発生し、ワンちゃんが亡くなった。 ・野生動物や汚染された環境から感染する。 ・秋に発生が多く、命にかかわることも多い怖い病気。 ・基本的には神奈川では発生は少ない。 ・発生地域には不用意に近づかない。 ・必要な場合にはワクチンで予防できる。



アリアスペットクリニック

院長

別府

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