動物と一緒の防災を考える ~マイクロチップの義務化に向けて~



もうすぐで東日本大震災から9年を迎えようとしています。


日本中が辛い経験をし、その中でたくさんのことを学んだ未曾有の災害でしたが、その経験を無駄にしないためにも、動物と一緒に暮らすペットオーナーの方へ、またいつか来る災害への備えとして、「ペットの防災」というテーマを今一度しっかりと考えてみたいと思います。今回はとりわけ、ペットの防災を語る上で外せない「犬猫のマイクロチップ」に焦点を当ててご紹介させていただきます。



わんちゃんのオーナー様であれば、


「マイクロチップ」


という言葉をお聞きになられたことがあるのではないでしょうか?

では、マイクロチップとは一体何かご存知ですか?

さらには、マイクロチップにはどのような情報が入っており、装着する場合はどのような手続きが必要なのでしょうか。


1.マイクロチップとは?

マイクロチップは直径2mm、長さ8~12mmの円筒型の電子標識器具です。チップにはそれぞれ世界で唯一の番号が記録されており、専用の読取器(マイクロチップリーダー)で読み取ることでその動物の個体識別ができます。


マイクロチップによる個体識別は、動物にとって安全で確実な身元証明の方法として世界中で広く用いられており、ペット先進国と言われているスイスやフランス、ベルギーやオーストラリアなどでは、マイクロチップの装着が動物と暮らす上でご家族に義務化されています。また、海外から日本へ犬猫と一緒に入国する場合、「マイクロチップ埋め込み証明書」の提出が必要になります。逆に、日本から海外へ連れていく際も、国によってはマイクロチップの装着が必要な場合もあります。


そして日本でも、この度の動物愛護管理法の改正に伴い、日本国内でも3年後にはマイクロチップの装着が義務化になることも決定しています。 改正動物愛護管理法の概要(環境省)

改正法では、犬や猫の販売業者に対し、マイクロチップの装着と所有者情報の環境相への登録を義務付けるほか、登録された犬猫を購入した飼い主には、情報変更の届け出を義務付けることになっています。また既に犬猫を飼っている方には、装着の努力義務を課すと明記されています。

上記の法改正を見越して、最近のペットショップでは販売前の犬猫たちに既にマイクロチップを装着しているケースも増えました。ペットショップ等でお迎えされた方は、今一度ご自身のご家族の装着状況をご確認くださいね。

2.マイクロチップ装着の目的とは?


まず第一に、捨て犬、捨て猫を減らすということです。 装着が義務化され、受け渡しの段階で身元のわかる飼い主情報が登録されていれば、現代のように容易に飼育放棄をするケースは減らせることが期待できます。


そしてふたつめは「防災」の観点で、飼い主とはぐれてしまった時に大変役立てられます。

万が一の災害時、事故や迷子などによって飼い主と離ればなれになってしまったときでも、マイクロチップの番号を読み取り登録されている情報と合わせることで飼い主の元へ帰ってくる可能性が格段に高くなります。マイクロチップリーダーは全国の動物愛護センターや保健所、動物病院などに置かれています。(もちろんアリアスペットクリニックにもございます。)

以下はアメリカの研究データです。


迷子ペットのマイクロチップの有無によるご家族の元への帰還率


MC無し:21.9%

MC有り:52.2%


MC無し:1.8%

MC有り:38.5%


という大きな差が有るとの事です。マイクロチップ有りでも飼い主の元に戻れなかった理由は、主に情報登録の不備で、正しい情報の登録と適切な更新が重要である事も併せて述べられています。


【参考】

AVMA FAQ(米国獣医師学会)



また、首輪や鑑札だと何かの拍子に外れてしまうことも考えられますが、マイクロチップの場合は、一度体内に埋め込むと脱落したり無くなったりすることがなく、データの発信も電波を利用するため半永久的に使用できます。過度な痛みや負担を与えないので、犬猫を含める哺乳類、鳥類、カメなどの爬虫類、カエルなどの両生類、魚類など、ほとんどの動物に埋め込むことができます。

4.マイクロチップの装着方法

採血などで使われる注射針より少し太めの針がついたチップ注入器で体内にチップを注入します。埋め込み場所は、犬猫であれば首の後ろの皮下が一般的です。(動物種により異なります)。

犬は生後2週齢、猫は生後4週齢から埋め込むことができます。痛みは普通の注射と同じくらいとされているため、麻酔や鎮静剤は通常は使用しなくても行えます。当院では避妊手術や去勢手術の際に一緒に装着をさせていただくことも多いです。マイクロチップの埋め込みは獣医療行為にあたるため、ご希望される方はまず動物病院にご相談ください。また、犬猫を海外から日本に連れてくる場合はマイクロチップなどで確実に個体識別しておく必要があり、日本から海外に連れて行く場合でもマイクロチップを埋め込んでいないと渡航できない国もあります。



5.データの登録

万が一、犬猫が行方不明になり日本国内で発見された場合、速やかにその飼い主様を確認できるように、マイクロチップを装着したら必要なデータを動物ID普及推進会議(AIPO)に登録する必要があります。登録するデータとしては、飼い主情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレスなど)および動物情報(名前、生年月、性別、動物種、犬猫の種類と毛色など)です。マイクロチップを埋め込んでもデータベースに登録がないと、もし保護されても飼い主様に連絡ができないため、データの登録は必ず行いましょう。登録の申込用紙等はマイクロチップを取り扱っている動物病院等にご準備があります。当院で装着された場合は、申込用紙を当日お渡しさせていただいております。




いかがでしたか?

もしもの時のために、その子の一生を約束した家族として、まだマイクロチップの装着をしていない場合は、この機会に是非検討してみてください。



アリアスペットクリニック


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