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シャンプーは治療のひとつです。

更新日:7月28日



こんにちは。

アリアスペットクリニック獣医師 皮膚科主任の酒井です。



これまでのブログでは、外耳炎アレルギー性皮膚炎膿皮症マラセチア性皮膚炎についてお話してきました。




これらの病気の治療では、お薬だけでなく「シャンプー療法」が重要な役割を担っています。


今回は皮膚科診療におけるシャンプー療法について解説します。



1. シャンプーは汚れを落とすだけではありません


「シャンプーは体をきれいにするためのもの」と考えている方も多いかもしれません。

もちろん汚れを落とすことも大切ですが、皮膚科で行うシャンプー療法の目的はそれだけではありません。


シャンプーには、


・余分な皮脂や汚れを除去する

・細菌やマラセチアを減らす

・フケや痂皮を除去する

・皮膚の保湿を助ける

・皮膚バリア機能をサポートする


といった様々な役割があります。


そのため、皮膚疾患の種類によって選ぶシャンプーも変わります。





2. 病気によって選ぶシャンプーは違います


皮膚病には様々な種類があり、それぞれ必要なケアが異なります。


例えば、

膿皮症では細菌を減らすことを目的とした抗菌シャンプー、

マラセチア性皮膚炎ではマラセチアの増殖を抑える抗真菌シャンプー、

アレルギー性皮膚炎では皮膚バリア機能をサポートする保湿系シャンプー、


などを使用します。


しかし、皮膚科診療では病名だけでシャンプーを選ぶわけではありません。


同じ膿皮症という診断でも、重症度や皮脂の多さやマラセチアが同時に増殖しているのかなど、皮膚の状態はその子その子で異なります


そのため、現在の皮膚の状態や背景疾患、生活環境などを総合的に評価し、その子に合ったシャンプーを選択することが大切になります。





3. 良いシャンプーでも使い方が大切です


どれだけ良いシャンプーを使用しても、使い方が適切でなければ十分な効果が得られないことがあります。


シャンプー療法では、


・十分に皮膚まで濡らす

・しっかり泡立てる

・適切な接触時間を確保する

・十分に洗い流す

・しっかり乾かす


ことが重要です。


特に薬用シャンプーでは、成分を皮膚に作用させるために数分間の接触時間が必要になることがあります。




4. シャンプーだけで治るの?


軽度から中等度の膿皮症では、シャンプー療法や外用療法のみで改善することもあります。


実際、近年の獣医皮膚科のガイドラインでは、軽症から中等症の膿皮症に対して局所療法を積極的に活用することが推奨されています。


これは薬剤耐性菌の発生を抑え、必要な時に抗菌薬を有効に使用するためでもあります。


一方で、


・病変が広範囲に及ぶ

・深部まで感染している

・背景疾患のコントロールが不十分


以上のような皮膚状態では内服治療を併用することもあります。


また、マラセチア性皮膚炎においてもシャンプー療法は治療の中心となることが多く、症状や重症度に応じて外用薬や内服薬を組み合わせていきます。



5. なぜ皮膚科でシャンプーを重視するの?


シャンプー療法は単に皮膚をきれいにするためのものではありません。


細菌やマラセチアの数を減らし、皮膚環境を整え、再発しにくい状態を維持するための治療です。


近年では、膿皮症やマラセチア性皮膚炎の管理において、シャンプー療法を含む局所療法の重要性がこれまで以上に注目されています。


薬だけに頼るのではなく、皮膚環境そのものを整えることが再発予防につながるためです。


また、アレルギー性皮膚炎では皮膚バリア機能の低下や皮膚環境の乱れが起こるため、適切なスキンケアによって皮膚の状態を維持することも重要になります。



6. まとめ


シャンプーは単なる美容や清潔維持のためのものではありません。

皮膚病の種類や状態に合わせて適切に使用することで、治療や再発予防に大きく役立ちます。


特に近年は、膿皮症やマラセチア性皮膚炎において局所療法の重要性が見直されており、シャンプー療法も治療の一つとして考えられています。


当院では皮膚の状態や生活環境、ご家庭でのお手入れ状況を考慮しながら、その子に合ったスキンケア方法をご提案しています。



「シャンプーをしているのに良くならない」

「どのシャンプーを選べば良いかわからない」



そんな場合はお気軽にご相談ください。



アリアスペットクリニック

獣医師 酒井



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