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自宅での耳掃除の危険性 ―そのケア、本当に必要ですか?―

自宅での耳掃除の危険性
自宅での耳掃除の危険性

犬や猫の耳はデリケートで、実はむやみに触らないことが最善のケアになるケースも多い部位です。


「耳が汚れている気がする」「においがする」といった理由で、自宅で綿棒を使って頻繁に耳掃除をしていませんか?


実はその行為が、耳のトラブルを引き起こし、耳の状態を悪化させている可能性があります。

 


綿棒を使った耳掃除によって引き起こされるトラブルとは?


 

必要な皮脂や耳垢まで取りすぎる


耳には本来、皮膚を守るためのバリア(皮脂や常在菌)があります。また正常な耳でも耳垢は作られます。過度な耳掃除はバリアを壊し、


  • 乾燥しやすい環境

  • バリア機能の低下

  • 感染しやすい環境


を作ってしまいます。


 

汚れを奥に押し込んでしまう


犬や猫の耳の構造は外側から耳介→垂直耳道→水平耳道→鼓膜のようになっています。

耳の解剖学的構造
耳の解剖学的構造

綿棒を使うことで、本来外に排出されるべき耳垢を奥へ押し込んでしまうことがあります。


その結果、


  • 耳垢の貯留

  • 炎症の慢性化

  • 外耳炎の悪化


につながります。


痛みや恐怖心を与える


無理に耳掃除を行うことで、


  • 耳を触られるのを嫌がる

  • 診察や点耳薬治療が困難になる


といった行動面の問題も起こります。

痛みや恐怖心を与える耳掃除
痛みや恐怖心を与える耳掃除


そもそも耳掃除は必要?


 健康な犬・猫では、耳は基本的に自浄作用を持っています。


自浄作用とは、自然に耳の中の汚れを外へ出す仕組みのことを言います。耳の中の皮膚は少しずつ外側へ移動しており、その動きに乗って耳垢や埃などが自然に外へ出るようになっています。さらに耳垢には細菌やカビの繁殖を抑えたり、皮膚を保護していたりします


つまり、健康な耳は掃除しなくても自分で綺麗にできる構造をしており、汚れていない耳に対しての定期的な掃除は不要です。


 


耳のトラブルの症状


以下のような場合は、耳のトラブルが疑われます。


・においがある

・茶色~黒色の耳垢が増えている

・頭を振る・耳をかく

・耳が赤い

頭を振る・耳をかく
頭を振る・耳をかく

この場合は自己判断で掃除を続けるのではなく、原因(細菌・酵母・アレルギーなど)を特定することが重要です。

正常な耳道
正常な耳道

外耳炎の耳道
外耳炎の耳道

自宅でケアしてよいケースと方法


獣医師の指示がある場合に限り、以下の方法で行うことが推奨されます。



  • 専用のイヤークリーナーを使用

  • 液体を耳に入れて軽くマッサージ

  • 出てきた汚れを優しく拭き取る


→綿棒は使用しない


 

まとめ


耳のトラブルは、「汚れているから掃除する」ではなく、「なぜ汚れているのか」を見極めることが大切です。


自己流のケアで悪化させてしまう前に、気になる症状があれば早めにご相談ください。


アリアスペットクリニックグループ

獣医師 皮膚科主任

酒井

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