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「湿気の多い季節だから外耳炎になる」は本当?



こんにちは。

アリアスペットクリニック獣医師 皮膚科主任の酒井です。



診察中に、


・「梅雨になると悪化します」

・「垂れ耳だから仕方ないですよね」

・「体質ですねと言われました」


というお話を伺うことがよくあります。



確かにこれらは外耳炎を悪化させる要因の一つです。


しかし実際にはそれだけで外耳炎が起きているわけではありません




1.     外耳炎を整理する“PSPP分類”


獣医皮膚科では外耳炎を4つの要素に分けて考えるPSPP分類という考え方があります。



P:Primary factor(主因)

外耳炎を直接的に引き起こす根本的な原因となる要素です

例)アレルギー ミミダニ 耳道内異物 腫瘍 ホルモン疾患など



S:Secondary factor(副因)


主因や他の副因と組み合わさることで外耳炎を発症させます

副因単独で外耳炎は発症しません


例)細菌感染 マラセチア 不適切な耳掃除(過剰な洗浄や耳毛処置)



P:Predisposing factor(素因)


外耳炎の発症リスクを高める要因です

副因と同じく素因単独で外耳炎は発症しません。


例)垂れ耳 湿気 多毛 など



P:Perpetuating factor(増悪因子)


外耳炎を悪化させて慢性化させる要因です

増悪因子単独で外耳炎は発症しません。


例)耳道狭窄 中耳炎 耳垢腺の変化など





2.     “なりやすさ“と”原因“は違います


ここで大切なのが「垂れ耳や湿気の多い季節だから外耳炎になる」というより、「垂れ耳や湿気の多さは外耳炎を起こしやすくする要素の一つ」という考え方です。


例えば垂れ耳でも一生外耳炎にならない子もいます。

反対に立ち耳でも、アレルギー体質があると外耳炎を繰り返すことがあります。

つまり、湿気や耳の形ではなく、その背景にある“本当の原因”を探すことが重要になります



3.     本当の原因とは?


再発を繰り返す犬の慢性外耳炎では、約7~8割にアレルギー性皮膚炎が関与しているとも言われます。


実際に適切な投薬治療や食事管理を行うことで、それまで繰り返していた外耳炎がほとんど起こらなくなるケースも少なくありません。





4.     まとめ


外耳炎では今起きている感染を治療するだけでなく、


・なぜ繰り返すのか

・どんな背景疾患があるのか

・慢性化していないか


を評価しながら治療していくことが大切です。


「何度も外耳炎を繰り返している」

「なかなか良くならない」


そんな場合は一度“本当の原因”を一緒に探してみましょう。



アリアスペットクリニック獣医師

皮膚科主任 酒井


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