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元気・食欲があっても見逃されやすい疾患

元気・食欲があっても見逃されやすい疾患
元気・食欲があっても見逃されやすい疾患

「ごはんも食べているし、元気そうだから大丈夫ですよね?」


これは、私たちが日々の診療の中で最も多くいただく言葉です。


確かに、食欲や元気はとても大切な健康のサインです。


ただ、近年の獣医療の研究では、元気そうに見える状態のまま進行する病気が少なくないことが分かっています。


このコラムは、不安をあおるためのものではありません。


「知ったうえで判断できる材料」を、飼い主様にお届けしたい


その思いでお伝えします。




病気は「目に見えないところ」で進むことがあります


腎臓や心臓の病気、内分泌の病気などは、


症状が出たときには、すでに体の中で進行していることがあります。


たとえば


・慢性腎臓病


・心臓病(特に初期段階)


・高齢の猫に多い甲状腺の病気


これらは、


・食欲がある


・普段通り生活している


という状態でも、静かに進行することが知られています。


「元気=病気がない」とは、必ずしも言い切れない理由がここにあります。

「元気=病気がない」とは、必ずしも言い切れない
「元気=病気がない」とは、必ずしも言い切れない


また室内飼育でも、感染症リスクがゼロになるわけではありません


「外に出ないから、感染症の心配はないですよね?」


これも、よくいただくご質問です。

完全室内外でも油断はできない
完全室内外でも油断はできない

確かに室内飼育は、多くのリスクを下げてくれます。


ただし、完全にゼロにはなりません


ノミやマダニなどは、 


・人の衣類や靴


・カバン


・同居している動物


を通して、意図せず室内に持ち込まれることがあります

ノミやマダニなどは人を介して意図せず室内に持ち込まれることがあります。
ノミやマダニなどは人を介して意図せず室内に持ち込まれることがあります。

また、日本国内では近年、


マダニが関与する感染症が、動物だけでなく人にも関係する問題として報告されています。


大切なのは、「怖いから予防する」のではなく、


どのようなリスクが、どの程度あるのかを知ったうえで選択することです。

SFTSについて
SFTSについて


最初の変化は、とてもささやかです


病気の初期に見られる変化は、


分かりやすい症状ではないことが多くあります。


・少し体重が減った


・水を飲む量が増えた


・寝ている時間が増えた


・動きが少しゆっくりになった


こうした変化は、「年齢のせいかな」「気のせいかも」と思われがちです。

寝ている時間が増えた
寝ている時間が増えた

ですが、後から振り返ると


大切なサインだったということも少なくありません。




健康診断や予防の本当の意味


健康診断や予防は、


「病気を見つけるため」だけのものではありません。


・元気なときの状態を記録する


・以前との“違い”に気づけるようにする


・大病から守る


そのためのものです。


もし何も見つからなければ、それは


「今の安心を確認できた」という結果でもあります。

3つの選べる健康診断コース
3つの選べる健康診断コース


最後に


私たちは、


「今すぐ何かをしなければならない」とは考えていません。


ただ


・元気そうでも進行する病気があること


・室内飼育でも寄生虫等の感染リスクが完全にゼロではないこと


これらを知ったうえで、


その子に合った選択をしていただきたいと考えています。


「うちの子の場合はどうなんだろう?」


そう感じたときは、どうぞ気軽にご相談ください。


病気になってからだけでなく、元気な時間を守るためにも寄り添いたい
病気になってからだけでなく、元気な時間を守るためにも寄り添いたい

私たちは、


病気になってからだけでなく、元気な時間を守るためにも寄り添いたい


そう考えています。


アリアスペットクリニックグループ

獣医師

グループ院長

玉貫 真人




本記事の内容は、以下の獣医学的研究・ガイドラインに基づいています。


・IRIS(International Renal Interest Society)

・Polzin DJ. Chronic kidney disease in small animals

・ACVIM(米国獣医内科学会)心臓病コンセンサスステートメント

・ESCCAP / CAPC 寄生虫対策ガイドライン

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