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尿検査と採尿方法

尿検査と採尿方法
尿検査と採尿方法

尿検査は特別な検査機器を使わず比較的安く簡単に、かつ体に負担のかかりにくい検査です。腎臓や膀胱内の病気だけでなく、全身性疾患の時にも評価やモニタリングで用いられることがあります。


<尿検査でわかること>

尿検査では主に3つ評価します。


①尿の濃さ(比重)

尿比重を測定することで腎臓の濃縮機能や、脱水、腎障害の有無を評価します。


②尿試験紙

試験紙を尿につけて、蛋白、糖、ケトン体、潜血、pH、ビリルビンなどを確認します。これにより、腎臓疾患をはじめ、糖尿病、感染症、肝臓疾患、出血性病変の可能性を推測することができます。


③尿沈渣(顕微鏡)

尿沈検査では、赤血球や白血球、細菌、円柱、結晶成分などの有無を顕微鏡で観察し尿路感染、炎症、結石形成リスクを評価します。

尿検査では、尿の採取の仕方によってわかることや正確さが変わってきます。

採尿方法は主に3つあり、それぞれの検査方法を目的やその子の状態によって採尿方法を選択していきます。

尿検査
尿検査

<採尿方法について>

①自然排尿

・最も負担の少ない採尿方法であり、採尿キットを使って飼い主様でも比較的簡単に実施することができます。

・タイミングは濃縮尿である早朝の第一尿で行うのが理想です。

・しかし、下部生殖器の分泌物や細菌による汚染の影響を受けやすいため細菌尿の評価には 推奨されません。

自然採尿
自然採尿

②尿道カテーテル

・カテーテルを尿道に挿入して膀胱に溜まっている尿を採取する方法です。

・尿道閉塞の解除や定時的な尿量の確認も行うことができます。

・自然排尿における採尿による細菌汚染や下部生殖器からの混入物の影響を軽減できます。

・尿道に挿入するときに尿道や膀胱の損傷が起こることが稀にあるので検査に影響が出てしまうこともあります。

膀胱カテーテル
膀胱カテーテル

 

③膀胱穿刺

・超音波機器で膀胱を確認しながら細い針を用いて、皮膚の上から膀胱まで針を刺入し採尿します。

・尿道を介さず直接膀胱から採尿するので、無菌的で細菌培養検査用に採尿する際の理想的な方法です。

・蓄尿がある程度ないと行うことができないのと穿刺による少量の出血が見られることがあります。

・膀胱内に腫瘍が疑われる際は、穿刺によって腫瘍を播種させてしまう恐れがあるため推奨されません。


採尿方法についてお伝えしましたが、どの方法で採ったとしても尿は時間が経つと性質が変わってしまい正しい検査結果が得られないことがあります。特に、自然排尿で採尿した尿をお持ちいただく際は、尿の取り扱いにも少し注意が必要になってきます。


まず、室温で尿を長時間放置すると

・細菌の増殖

・尿のpHの変化

・ミネラル成分が結晶として析出

などの変化が起こってしまいます。


そのため、保管方法と検査のタイミングは

・室温で保管する場合は、採尿後1時間以内に検査すること

・すぐに検査できない場合は密閉できる容器に入れ冷蔵庫(2~8℃)で保管し、可能なら4時間以内に検査すること

が推奨されております。

尿の保管方法
尿の保管方法

<まとめ>

いかがだったでしょうか?

尿検査は、腎臓や膀胱の病気だけでなく、体の異常を早く見つけるための大切な検査の一つです。ただし、採尿方法や保管状態によって結果が変わることもあるため、状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。

また、犬や猫は人と違い排尿のタイミングを自分で調整することが難しく、無理に採尿しようとすると負担になってしまうこともあります。

ご自宅での採尿が難しい場合や不安がある場合は、無理をせず一緒に採尿方法についてご相談させていただければと思います。


少しでも気になることや不安な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。


アリアスペットクリニック

獣医師

小尾


参考文献

・SN Yadav,N Ahamed,et al. “ Urinalysis in dog and cat: A review”.

・Stephan Neumann, et al. “Stability of canine urine samples under different storage conditions”.

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